
恵知 恋
(エチレン)
みんなに優しい少し気弱な女の子。ジャスモンさんにいつも振り回されている。その能力のため花に触ることができないのが悩み。秋の綺麗な紅葉は彼女の能力のおかげ。
恵知恋です。3年生です。私は植物を老化させたり成熟させることができます。秋になって枯れ葉がいっぱい落ちるのは私のせいです。すみません…。会長と協力することで葉っぱを下向きに成長させる、上編生長という能力を持っています。これ以外にも会長にはときどき助けてもらっています。私だけ他の人と違って気体なのですが、やっぱり目立たないですよね…。



プロフィール
名前:えちれん(愛称:れんちゃん)
年齢:18歳
身長:154cm
趣味:将棋
能力:植物を老化させ枯れさせる

エチレンは気体として働く珍しい植物ホルモンで、果実の成熟を促進することでよく知られています。トマトやバナナが一斉に熟すのはエチレンの作用によります。また、葉が落ちたり花がしおれたりするのもエチレンの働きです。茎の伸び方を変えて横に広がらせる作用もあり、植物の老化や環境への適応に関わる重要なホルモンです。
もっと詳しくエチレン [ Ethylene ]
果実成熟促進・老化促進・休眠打破・落葉促進
果実成熟促進・老化促進・休眠打破・落葉促進

唯一常温常圧で気体として存在する特徴的な物質である。
その発見は20世紀初頭にさかのぼり、街路灯から漏れ出したガスが近くの植物に異常な成長を引き起こすことが観察されたのがきっかけである。1930年代には、この成分がエチレンという炭化水素ガスであることが特定され、植物自身が合成して成長調節に利用していることが明らかとなった。エチレンの作用は多岐にわたる。
代表的なのは果実の成熟促進で、バナナやトマトなど追熟する果実では収穫後もエチレンによって色や香りが変化する。また、葉や花の老化や落葉、落花の促進にも関与する。
さらに、暗所などストレス条件下でエチレンが増加すると、茎が太く短くなる「三重応答(茎伸長の抑制、茎の肥大、上方への屈曲)」が観察される。また、オーキシンとの連携による「上偏成長」もよく知られている。これらは環境適応に重要な反応である。エチレンの生合成はメチオニンを出発点とするメチオニン経路で行われる。まずメチオニンからS-アデノシルメチオニン(SAM)が作られ、続いてACS(ACC合成酵素)によってACC(1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸)が合成される。最後にACO(ACCオキシダーゼ)がACCを酸化してエチレンを生成する。このACSやACOをコードする遺伝子群はエチレン生成を制御する鍵であり、環境刺激や発達段階に応じて転写調節を受ける。
エチレンの受容は小胞体膜に存在する受容体(ETR1、ERS1など)で行われる。これらの受容体はエチレン非存在下では抑制的に働き、CTR1と呼ばれるキナーゼを活性化してシグナル伝達を止めている。エチレンが結合すると受容体が不活性化され、CTR1の抑制が解除される。結果としてEIN2が活性化され、その情報が転写因子EIN3/EILに伝わり、下流の細胞壁分解酵素や色素合成酵素などエチレン応答遺伝子群をコードする遺伝子のmRNA発現を誘導する。このように「エチレンが受容体を不活性化する」仕組みは他の植物ホルモンと異なるユニークな特徴である。
近年の研究では、果実成熟におけるエチレンによる転写因子群のネットワークが解明されつつあり、トマトやイチゴなど作物の成熟制御に応用されている。例えばエチレン受容体を遺伝子編集技術や他の物質によりブロックすることで果実の新鮮さを保つ技術が開発されつつあり、フードロス低減などが期待される。