ほるもん 植物ホルモン擬人化まとめ

オーキシンサイトカイニンジベレリンエチレンアブシジン酸ブラシノステロイドジャスモン酸フロリゲンストリゴラクトンストマジェンサリチル酸


アブシシンさん
(アブシシン酸)

本名不明のちょっと電波な少女。騒がしいのが嫌いで常にダルそうにしており、授業中はだいたい寝ている。あぶ・じゃす・ちるの仲良し(?)3人組の一人。

アブシシン、2年生よ。水分が少なくて乾燥したり、塩分が多すぎて植物が育ちにくい環境になると私の出番ね。種が発芽しないように眠らせたり、気孔を閉じて水分を失わないようにすることができるの。え?じゃすもんさんやさりちるさんといつも一緒にいるって?別に仲良しじゃないわよ、うるさい連中を静かにさせるのが私の仕事なの!
音声1ボタン音声2ボタン
プロフィール

名前:あぶししんさん(愛称:あぶちゃん)
年齢:17歳
身長:153cm
趣味:ぬいぐるみ集め
能力:植物を眠らせる

アブシシン酸は植物の成長を抑える作用をもつ植物ホルモンです。乾燥や寒さなどのストレス時に働き、気孔を閉じて水分の蒸発を防ぎます。また、種子を休眠させて発芽を防ぐ役割もあります。環境が悪いときに植物を守り、条件が整うまで待つよう調節する「ブレーキ役」のホルモンです。

もっと詳しくアブシシン酸 [ Abscisic acid/ABA ]
休眠誘導・成長抑制・気孔閉鎖・乾燥耐性
アブシシン酸は、植物の成長制御や環境応答に重要な役割を果たす植物ホルモンである。発見の契機となったのは1960年代で、綿の離層形成に関わる物質「アブシシン」と、休眠芽から見つかった「ドルミン」が、後に同一の化合物であると判明した。
ABAの主な作用は、

種子の休眠維持と発芽抑制、乾燥や塩ストレスなど環境ストレスへの応答である。

特に水不足の際には、葉の気孔を閉じて蒸散を抑制し、水分保持を助ける役割を担う。また、発芽時期の制御により環境条件が整うまで発芽や成長を抑えることは、植物が生存する上で極めて重要である。
ABAは種子植物では主に非メバロン酸経路からカロテノイド、キサントキシンを経由して合成される。このうちカロテノイドまでの合成は葉緑体(色素体)内で、キサントキシン以降の合成は細胞質で進行すると考えられている。特に NCED(9-cis-エポキシカロテノイドオキシゲナーゼ)酵素が律速段階を担う。分解には CYP707A などの遺伝子が関与し、合成と分解のバランスによってABA濃度が調整される。ABAは種子植物だけではなく、シアノバクテリア、藻類、コケ、シダからも検出されている。

ABAを介したシグナル伝達経路はリン酸化/脱リン酸化システムによって制御されている。

ABAがPYR/PYL/RCAR受容体に結合すると、PP2C型リン酸化酵素(普段はシグナルを遮断している負の制御因子)が抑制され、それによってSnRK2(プロテインキナーゼ)が活性化される。SnRK2はすぐ下流の転写因子AREB/ABFをリン酸化して活性化する。この経路を通じて、ストレス応答や遺伝子発現の変化が誘導されることがわかっている。
最近ではPYR以外の受容体タンパク質の存在も示唆されつつある。また、ABAシグナルが他のホルモン(オーキシンやエチレンなど)と複雑に相互作用し、発芽や成長抑制を統合的に制御することが明らかになってきた。また、ストレス耐性を強化する遺伝子改変の研究において、ABA経路が重要な標的とされている。さらに、シングルセル解析技術やリアルタイム可視化技術の発展により、ABA濃度の細胞内での変動や動態が詳細に観察されるようになり、ストレス応答の精緻な制御機構の理解が進んでいる。